姉のことは、本人じゃないから、気持ちや何を思っていたかなんて、私にはわからない。
でも、姉は、なんだか、それでよかったのかなぁって、私は思うのです。
姉は高校卒業後、進学せずに就職した。
仕事は忙しかったわけじゃないけど、
私の知る限り、誰かと遊んでるとか、休日外出してるのを、見たことがない。
白蓮グループっていう女子部の精鋭部隊?みたいのに所属して、いつも会合。
たまに私を洋服の買い物に連れ出してくれる。
母がいつも言ってた。
「遊んでないで、学会活動しなさい」
って。
だから姉は、いつもいつも活動してた。
仕事から帰宅しても、夜なのに部員さんまわり?に女子部の人とチームで出掛けてた。
学会で活躍する姉は、母の自慢の娘だったと思う。
選挙のときは、遊説っていうのかな、車に乗って応援する人やったり。
アルバムとか卒業生名簿を持ち出して、手当たり次第公明党を応援してって電話連絡。
そうやって、活動した姉は、誰とも遊ばないまま、30代になった。
職場の友達と遊園地に行くようになった。
ボードに行くようになった。
私も誘ってくれて、30過ぎてやっと、遊ぶようになった。
母はやっぱり良い顔はしなかった。
「遊ぶ時間があったら活動しなさい」
「そんなに仲が良いんだったらしゃくぶくしなさい」
姉の座る席に
SGIグラフ
大百蓮華
これでもかってくらい、見開きしたページを重ねて置いた。
それを読め、と。
そこを読め、と。
姉の、華のような青春の二十代は、学会活動だけだった。
名簿で公明党の連絡してたから、友人も減ったんじゃないかな。
それが、姉の青春になってしまった。
女子部、男子部ってあるのに、男子部との接点はなさそうだった。
女子部と男子部が結婚したら、活動家が減ってしまうから?
女子部が未入信の人をしゃくぶくして結婚すれば、会員が1増えるから?
1+1=1世帯にしかならず、
それぞれがしゃくぶくして結婚すれば、2世帯になる。
から?
近くでみていた私には、姉の青春が失われたように、感じる。
姉は、どう思っているのかなぁ。